Saturday, December 09, 2006

Yamaguchi-kun

山口くん……。と言っても、山口敏夫元代議士ではない。中学校で同級生だった秀才山口くんのことで、彼には自尊心というものを徹底的にぶち壊された。彼の父親は自分の父親と交流があったらしい。ずいぶん年齢が離れているはずだが、写真の趣味が共通でうちに何度も来ていたという。そんな昔の親同士の付き合いもあって、2年生で同じクラスになったとき仲良くなったのだが、彼は秀才、自分は上の中あたり。2学期。隣同士の席になり、彼は何様のつもりなのか自分の授業理解に口を出す。

「(英語の)関係代名詞がわからんかったら、この学期は意味あらへんわ」
「……」

という具合だった。

学校で起こったことだったのかどうか場所は覚えてないが、ある日、彼は「キミのお母さんが“(自分のことを)よろしく頼む”と言っていた」と明かし、おせっかいの理由がわかった。親も親なら、彼も彼だ。いくら秀才でも彼は同級生。「息子をよろしく」と言う親もひどければ、それを真に受けて振舞うこいつもひどい。侮辱された気分で、すっかり彼のことを避けるようになった。何に必要だったのか、当然忘れたが、彼に数千円を貸したことがあって、その返済を求めるはがきを送りつけてやった。はがきなら家族の目にも触れることを承知のうえでやったことだった。彼はうちまで返しに来た。「すぐ返してきなさい」とうちで言われたはずだ。彼は私立の秀才コースに進学した。高校生になっても朝の通学電車で会うことがあったが、話し掛けられても無視した。30年近く経った今、どこかで会ってもやっぱり無視すると思う。

No comments: