巨匠の文章にケチをつけて申し訳ないが、「不毛地帯」のページに、リビア革命当時、駐在していた商社マンが日本外務省に宛てた電報に「We are safety.(私たちは安全である)」と書いたとある。「We are safety」って……。情けない英語。そしてカッコでくくられた日本語が「私たちは安全である」。高校の英語の授業を思い出す。英語での会話を日本語にして書かれている個所は「直訳調」の文章が多く、読みにくいことはなはだしい。どうして「日本語で」書かなかったのだろう。そして、「建設用地のサイト・ブリパレーション(土地造成)」とも。「ブリパレーション」って何?「プリパレーション(preparation)」のことか?
さらにシンガポールの場面では、日英の激戦地でイギリス軍が降伏文書に署名した「ブキテマ台地」にある自動車メーカー・フォード(作中では「フォーク」))の工場が登場する。「そこからはシンガポール海峡を隔てて、対岸のマレーシアが一望のもとに見渡せ」と書かれているが、「ジョホール海峡」の誤りでは?さらにさらに、「眼下のジョホール海峡を、赤白青のマレー連邦の国旗をはためかせた巡航船が横切って行った」。コーズウェイのあるジョホール海峡をどうやって船が横切れるのか?
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