「サイゴンのいちばん長い日」も待ち遠しい。今年1月に初めて訪れたサイゴン(ホーチミン市)。その後2回の訪問で、合計1カ月以上をあの地で過ごしている。はっきりとした戦争のキズは見当たらないが、年老いた物乞いや宝くじを売り歩く幼子を抱きかかえた若い母親、また5~6歳かと思われる花売りたちを見ると、発展の止まないような都市で格差が広がっていることが窺われた。インフレを逆手にして儲けている輩も多いことだろう。
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これまでのところ、「沈まぬ太陽」にあんまり共感しない。東京オリンピック以前から始まる話で、当時のカラチ、ナイロビでの勤務や生活に、今の基準を当てはめるのは間違いだろう。だが、海外駐在員からプンプン漂う「現地に日本を期待する」姿勢に大きな差があるとも思えない。会社組織内部の政治や枠や序列を基本に物事を考えるから、そんな傲慢とも言える態度が発生すると言っては言いすぎだろうか。「世界を見たい、その地を知りたい、楽しみたい」という態度が欠落している。会社の辞令だからイヤとは言えないなんて自立した個人とは思えない。「日本村」がそんなに恋しいか。
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