その夢の「画面」は左右に分かれていた。それぞれに何が映し出されていたのかよくわからないが、どちらかを選択せよというようだった。ただ、次の瞬間、画面はひとつになり、映っていたのは一本道が左右に分かれるところ。左側斜めに続く道は「以前、進んだことがある」と判断して、右に進むことにした。進んで何が起こったのかはわからない。
そんな「夢を見ながら、思い出していた」のは、確かずいぶん前に見た夢のいくつかで、これらの夢は何度かまた別の夢の中で現われたり、現実に思い出したりしている。
そのひとつは、街の中心からほんのわずかに西側にある川で、位置的にも京都市内の中心を流れる鴨川から堤防を挟んで西にある狭い川や高瀬川を想像させる。ただし幅は鴨川ほどではないがもっと広い。京都と同じく、北から南に流れていて、自分はその静かな流れの川を自転車かクルマで遡上しようとしている。浅い川でもあり、北へと移動していくが、途中で人工的に作られた段差が何カ所かにあって、いよいよ障害となりそれ以上進めない。周囲の環境は、この川の流れように静かではなく、道路が縦横に走る交通量の多い都市の様子だった。夢の中で自分はこの風景を京都市内と解釈していた。
もうひとつの夢は、京都市内から滋賀県へと、今度はクルマかバイクで移動するもの。峠越えだが、京都から滋賀へ入ろうとする場所からは、琵琶湖らしき湖が見え、かなりの絶景だ。道路はその景色を楽しませるように曲がりながら伸びており、また天気もよく清清しい。
さらに進むと、丘の斜面に造られたような古い墓地で、辺りは薄暗い。新しい墓石はなく、どれもあちこちが黒く汚れている。湖の見える景色とは異なって、これは白黒の風景だった。石段を登りきると、広く平坦な土地が出現し、そこには金箔を使ったようなかなり派手で、また大きな寺院があった。
このふたつの夢、本当は一夜で見たのかもしれない。
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