Thursday, May 20, 2010

Prime Ministrial Cul de Sac

米軍の普天間飛行場移設問題は、60年安保改定を巡る大騒動のように発展するかもしれない。結末も同じに。首相は、アメリカとの交渉で何とか仕上げた案を国内の圧倒的反対を押し切って実現させた後、辞職するというものだ。しかし、この移設はどのような法的手続きが必要なのだろうか。安保条約には、基地の設置場所まで具体的に規定しているのだろうか。そうだとすると、外国と結んでいる条約の内容を変更するには、新たな批准が必要なのだろうか。

それにしても、日本国の国民感情は60年安保当時と変わっていないようだ。米軍を歓迎するのは米兵相手の売春婦ぐらいで、基地受け入れに前向きな都道府県はひとつもない。そしてそのことをアメリカに言えない政府。アメリカが納得して全基地を撤去したら、浮かれている場合じゃないのに、自衛隊増強などの代替を背負う覚悟のない国民。日本版「NIMBY」か。

「Pidgin English」を「Pigeon English」だと思って、「鳩の英語だな」などと、ときどきおかしなことを言う東京都知事が指摘するように、米軍だって日本のどこでもいいから駐留したいわけではない。北東アジアの軍事的安定とアメリカの世界戦略にとって、沖縄が今でも極めて重要であることに変わりない。首相は強行突破するのか、それとも不可能とわかっていながら、説得するふりをして時間だけを経過させるのか。

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