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窓が開いて顔の覗かせたのは、洗濯物を取り込もうとしていた母親だった。かぶっていたベトナム兵帽子を振って合図すると、目が合って気が付いたようだった。入口へ回って、ピンポンするとドアは開かず、そのすぐ横の台所の窓が開いた。てっきりわかっているものと思っていたが、誰が来たのかわかっていない様子。名を名乗ってようやくわかってもらえた。1週間ヒゲを剃ってなかったので、そのせいもあるだろうが、6年と8カ月も会わないと、こういうことが発生してしまう。「あんた、ちょっと肥えたか?」「背ぇも伸びたか?」
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