「沈まぬ太陽」はあと1冊を残すだけになった。読み進めるほどに、違和感が増す。「ナショナルフラッグ・キャリア」の「国民航空」といえども、たかが会社。しかし、労組があるほどの巨大企業で仕事をすれば、会社の一員という意識が強くなるものなのだろうか?カラチ(パキスタン)、テヘラン(イラン)、ナイロビ(ケニア)を「僻地」と呼び、そこでの勤務を左遷扱いし、誰もができるわけでないことを経験している事実に対する感謝も興奮も感じられない。企業内での「栄転」と「左遷」を生き方の基礎にするからこんな話が成立するのだろう。また、「アフリカ篇」から「御巣鷹山篇」への流れがあまりに急で、同じストーリーだという感覚が薄れてしまった。
戦争の傷を残しながらもそのままを受け入れ、ほのぼのささえ感じさせる「サイゴンのいちばん長い日」「サイゴンから来た妻と娘」と大きな違いだ。
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