Wednesday, August 27, 2008

Three New Books

昨日、「他諺の空似」(米原万里)「サイゴンのいちばん長い日」(近藤紘一)「沈まぬ太陽」(2・アフリカ篇・下:山崎豊子)を買ってきた。そして、「沈まぬ太陽」の第1巻を終えて、「他諺の空似」を始めた。万里さんは期待を裏切らず、シモネタで笑わせてから、世界の状況、日本の姿勢を遠慮なく批判する。その主張は、Chomskyのそれと通じるものがある。日本語をひとつ学んだ。「膾炙」……。読めなかった、意味の類推さえできなかった。

「サイゴンのいちばん長い日」も待ち遠しい。今年1月に初めて訪れたサイゴン(ホーチミン市)。その後2回の訪問で、合計1カ月以上をあの地で過ごしている。はっきりとした戦争のキズは見当たらないが、年老いた物乞いや宝くじを売り歩く幼子を抱きかかえた若い母親、また5~6歳かと思われる花売りたちを見ると、発展の止まないような都市で格差が広がっていることが窺われた。インフレを逆手にして儲けている輩も多いことだろう。

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これまでのところ、「沈まぬ太陽」にあんまり共感しない。東京オリンピック以前から始まる話で、当時のカラチ、ナイロビでの勤務や生活に、今の基準を当てはめるのは間違いだろう。だが、海外駐在員からプンプン漂う「現地に日本を期待する」姿勢に大きな差があるとも思えない。会社組織内部の政治や枠や序列を基本に物事を考えるから、そんな傲慢とも言える態度が発生すると言っては言いすぎだろうか。「世界を見たい、その地を知りたい、楽しみたい」という態度が欠落している。会社の辞令だからイヤとは言えないなんて自立した個人とは思えない。「日本村」がそんなに恋しいか。

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