Wednesday, October 03, 2007

Father and Son

宝華製鉄の建設事業は、中国側があらゆる場面で「中日友好の精神に反する」を持ち出し、工程の遅れは必至の状態。それでも上海事務所長の松本耕次は、仕事の合間を縫うようにして満州で関東軍に見捨てられた中国残留孤児の身元探し活動に加わる。息子の勝男がソ連軍の侵攻を生き延び、黒龍江省の勃利にいたという情報を掴む。父子は宝華製鉄事業で、すでに言葉さえ交わしているのだが。また、陸一心の妻で巡回医療隊看護婦の月梅は河北省で、生き別れになった一心の妹、あつ子と同年になる39歳の日本人孤児、張玉花と出会う。養父母に酷使され、その体はボロボロだった。一心は正式に共産党への入党が認められるが、党幹部、趙大烈の娘で一心とは大学の同窓になる丹青の夫がデマを流し、一心の追い落としを画策する。(「大地の子」)


賢治はフィリピンの戦場で弟の忠と遭遇する。そして、忠とともに逃走しようとした軍曹と見間違え、実の弟を撃ってしまう。兄による捕虜尋問で勇がヨーロッパ戦線でテキサス部隊救出時に戦死したことを知らされる忠は、尋問に多くを語らない。しばらくして賢治に日本への異動命令が下る。原爆投下後の広島を調査に訪れ、その惨状に驚く。収容所を出て広島に戻っていた「加州新報」の梛子との再会も果たす。原爆炸裂の直前に偶然地下へ降りていて助かったものの、彼女の両親はともに命を落としていた。GHQ勤務になっていたチャーリー田宮も元妻梛子、そして14歳の時から別れたままだった母妹と出会う。妹のマリーは原爆の熱風を受け、傷を隠すため黒いベールで顔を覆っていた。(「二つの祖国」)

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ミャンマー(ビルマ)軍政に反対するデモに軍が発砲して死傷者が出たことで、ASEANがどこまで関与するのか、その対応に注目。

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