Sunday, January 28, 2007

Raskolnikov Tuned Himself in... and to Siberia

カネはあるが道徳心に欠けるスヴィドリガイロフは、カテリーナの子供たちの孤児院費用を負担し、「将来、必要になるはずだ」とソーニャにも援助する。ロマノーヴァに求愛するが嫌悪され、ピストルで撃たれる。弾ははずれたが、その後、自ら頭を撃ち抜いて自殺する。自首を決心したラスコールニコフは母を宿泊先をたずね、別れを告げる。川に飛び込んで自殺することが頭をよぎるが、アパートに戻る。訪れた妹にも別れを言う。ソーニャからは約束通りに十字架を受け取る。

警察に出向いたラスコールニコフだったが、いったんは建物を出ようとする。そこでソーニャの姿を見つけて思い直し、自首する。

判決はシベリアで8年。結婚したラズミーヒンとロマノーヴァは、母から真実を隠す。しかし、何か恐ろしいことが息子の身に起こっていることを感じ、ラスコールニコフのことを案じながら心身ともに疲れ果て命を閉じる。ソーニャはラスコールニコフを追って、シベリアでの生活を始める。

ひとりのセリフが数ページにも渡り、ロシア人は何と饒舌なのかと思った。話を始めると止まらないロシア人と言えば、ゴルバチョフ元ソビエト大統領だが、登場する男性の全員が彼のような感じ。またドストエフスキーの心理描写はたいへん微細だ。人間の心情を文章で表現するとこのようになるのだろうか。人はもっといい加減なようにも思うが、それは自分の未熟さが原因なのだろう。脇役だが、ナスターシャ(Nastasya)の雰囲気がいい。荒っぽいが人の心のわかる人だ。腐敗した首都を背景に、話には社会主義の理想も見え隠れし、またドイツ人、ユダヤ人への偏見も見て取れる。

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